担当と歩む永遠の青春

この素晴らしい世界で ほら君をみつけた

本当の意味で職場でヲタバレした日

わたしは、12歳で当時人気ドラマだった『木更津キャッツアイ』に出演していた嵐 櫻井翔にハマって以来、かれこれ15年ほどジャニヲタというものをしている。(やばい年齢がバレる)


当時関西在住、校則でバイトを禁止されていた進学校に通うわたしが「おたく」を名乗れるような応援の仕方をできたわけではなかったけれど、当時の嵐の人気は下火も下火で今にも消えそう・・・!!ってな時だったので、正直簡単にコンサートに行けたし、CDの初回限定盤をゲットすることも容易かった。


カトリック系の女子進学校という、抑圧された環境にいた私にとって、嵐は現実を忘れさせてくれる夢のような存在であり、櫻井翔は宇宙一カッコイイ男だった。


今でも忘れない、高校の卒業式。とある数学教師に言われた一言がある。


「お前にはまだ分からないかもしれないが、悪いことは言わない。ジャニーズ好きを隠して生きろ」


まあ、いくら女子校育ちとはいえ、ジャニーズが世間様からどう思われているかは多少なりとも分かっているつもりだった私は、あながちだな、とさえ感じていた。要するに、『隠す必要はある』と思っていたのだ。


おたくにとって、女子校という環境はパラダイスである。男子の目がないということは、ありのままでいれる。朝から夕方まで自担の話に花を咲かせ、口からでるのはジャニーズ関連のことばかり。


そんなパラダイスから、4年間共学リア充の巣窟である大学キャンパスに通うのだ。そりゃまあ、慎重になってしかるべきである。


ところがどっこい。ジャニヲタという生き物はどこにだって存在する。そこまで本気じゃなかったとしても「わたしも〇〇くんカッコイイと思ってるんですぅ」という女はわんさかいるし、男子でさえ「関ジャニおもろいなあ」という時代である。


無論、速攻でわたしは心の鍵を開け、のびのびおたくとして生活をした。それでも彼氏はできたし、友達もできた。なーーんだ!全然生きていけるじゃーん!!


そのノリで就職を期についに上京。もちろん、お察しの通り職場にもなんとなくの仲間が沢山いた。先生、聞こえていますか?先生、隠す必要・・・ありますか???


入社早々わたしは「ジャニーズ好きの関西人」というおいしいキャラを確立し、職場でものびのびと生活しはじめたのだ。


とはいえ職場なので多くは語らない。「今週コンサートなんですよー!」だったり「Mステみてくださいねー」だったり、ありがちな会話を展開し、たまに飲みの席で自担を布教するくらいである←


雲行きが怪しくなってきたのは一昨年の夏。当時追いかけてたデビュー組自担のスキャンダルが発覚したときのこと。週末はスキャンダル後はじめてのコンサート公演。しかし地方公演ということもあってチケットはない。


でも、初スキャンダルできっと自担は落ち込んでるだろうし、おたくとしてその場にいれないなんて耐えられない・・・!!!わたしは思わず隣の席の後輩に相談した。


私「ねえ、今週末広島公演行こうと思うんやけど・・・」


後輩『え!?チケットあるんですか?』


私「ないよ、買うよ〇円で。ちなみに飛行機は4万円(直前で値が上がってた)」


後輩『・・・やめといた方がいいと思いますよ(この時点で若干ひいてる)』


私「やんな・・・そうやんな・・・・・・」


《15分後》


私「ポチッたわ〜(最初からその気)」


後輩『!!!????????』


もちろんこの話は瞬く間に広がり、この頃からオフィスでは、あいつはちょっとやばい系のおたくであるという噂が流れていたかもしれない。私も吹っ切れたかのように、これまで以上に隠すことなく生活するようになった。


そして約2年の時を経て現在。この2年の間にわたしはジャニーズJr.にどっぷりハマり、自担のデビューコンサートが決定。Twitterでは飽き足らず、ことある事に会社でお祭り騒ぎを繰り広げ自担のデビューを広めていった。

(例)大人数の飲み会でなぜか「岸優太のデビューに乾杯」という名目で乾杯をさせる、飲み会の度に岸優太の写真を見せびらかし魅力を最低30分語る、デビュー日は朝から晩までことある事にデビューを祝わせる、CD発売後は会社のカラオケで最低2回シンデレラガールを歌うetc...


そんなわたしの所属する部署では最近社員同士の交流を促進するために週に1回「社員クイズ」が行われている。まあ、大したものではないが、社員にまつわる○×クイズを出して、ちょっと盛り上がろうぜ〜という企画である。


ちょうど今週の問題はわたしについてだった。課長から「おたく関連でネタになりそうなのメールして」という司令がでていたわたしは、関西人のサガなのか、これまであえて公にしていなかった情報を敵にみすみすわたしてしまったのだ。


その日出題された問題は「〇〇(わたしのこと)がチケット1枚にかけた最高額は〇万円である」という○×問題。


いわゆるタブー的な領域になるので、ちょっと値段は伏せるが、簡単にいうと一人暮らしの家賃2〜3ヶ月分の値段だと思ってもらえれば差はないと思う。※ちなみにこのときのチケットは前述のスキャンダル事件とはまた別の公演の話


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わたしのTwitterアカウントのヘッダーにある通り、わたしは金で解決できるなら金を惜しまないタチである。目の前に自担に会えるチャンスがあるなら迷わず払う、だめなファンだ。


問題内容を聞いた同僚たちは、予想していなかった金額にどよめいた。さすがに×だろうと、3分の2のメンバーが×エリアに移動した。(ただ、一部の後輩達は「こいつならやりかねん」と言わんばかりに〇エリアにいたけれど)


もちろん正解は〇。この時点で朝のフロアから波のひく音が聞こえたきがした。あれ?みんな??どうしたの?なんでそんな顔してるの??あれ???


約6年、家族のように苦楽を共にした同僚が、知らない人のように見えた。(大げさ)


正解発表後コメントを求められたわたしは、なんとかこの状況を笑いに変えねばと、何を思ったかドヤ顔で「全く後悔していません!」「岸くんにはその価値があるんですよっ!」と言い放ち、さらに同僚をドン引きさせた。


関西人としての血をこれほどまでに呪ったことはない。なんで、なんで、そもそもわたしはこの情報を課長に渡した?あわよくばウケて朝から大爆笑をカッさらえると思ったから?本当にわたしのバカ!マヌケ!オタンコナス!!


・・・先生、先生、聞こえていますか?卒業から10年。先生の言っていたことが、ようやく分かりました。ダメな生徒だと叱ってください・・・。


今のところ、この真のヲタバレ事件により弊害はでていないけれど、もしかしたらどこかに隠れていた社内恋愛の芽がこれで潰れたかもしれないし、今後発芽しうる社内恋愛の芽もこのエピソードを蒸し返されることで摘まれ続けるかもしれない。(まあそもそも6年そんな芽はでてないけど)


まだ周りに打ち明けられていないんだ〜というおたくがいたら、ぜひ言ってあげたいことがある。


「おたくを隠す必要はない。だけど、全てを打ち明ける必要もないですよ。」